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文部科学省科学研究費補助金「特定領域研究」細胞核ダイナミクス
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染色体分配に必須なセントロメアの核内機能構築の分子基盤
しきり線
研究分担者
   
深川 竜郎(研究分担者)
<国立遺伝学研究所 分子遺伝研究系 分子遺伝研究部門
助教授 >
〒411-8540 静岡県三島市谷田1111
TEL: 055-981-6792 FAX: 055-981-6742
E-mail: tfukagaw@lab.nig.ac.jp
URL: http://spinner.lab.nig.ac.jp/~tfukagaw/index_j.html

・主な研究内容
・研究室メンバー
・最近の研究成果
・研究室紹介[国立遺伝学研究所 分子遺伝研究部門]
深川 竜郎
主な研究内容
・高等動物セントロメア形成機構について
・細胞周期進行制御とセントロメアとの関連
・セントロメア領域を構成する反復DNA配列の意義
・セントロメアクロマチン構造の解析
・RNAiマシナリーとセントロメア
 
研究室メンバー
岡田聖裕(助手)
堀 哲也(ポスドク)
野上正弘(ポスドク)
Misu Kwon(ポスドク)
他 研究室ホームページをご参照下さい。
http://spinner.lab.nig.ac.jp/~tfukagaw/index_j.html
 
最近の研究成果

Tatsuo Fukagawa, Masahiro Nogami, Mitsuko Yoshikawa, Masashi Ikeno, Tuneko Okazaki, Yasunari Takami, Tatsuo Nakayama, and Mituso Oshimura "Dicer is essential for formetion of the heterochromatin structure in vertebrate cells." Nature Cell Biology (2004) Vol. 6, 784-791. & Cover.

Tetsuya Hori, Tokuko Haraguchi, Yasushi Hiraoka, Hiroshi Kimura, and Tatsuo Fukagawa "Dynamic behavior of Nuf2-Hec1 complex that localizes to the centrosome and centromere and is essential for mitotic progression in vertebrate cells." Journal of Cell Science (2003) Vol. 116, 3347-3362.

Ai Nishihashi, Tokuko Haraguchi, Yasushi Hiraoka, Toshimichi Ikemura, Vinciane Regnier, Helen Dodson, William C. Earnshaw, and Tatsuo Fukagawa "CENP-I is essential for centromere function in vertebrate cells." Developmental Cell (2002) Vol. 2, 463-476.

Tatsuo Fukagawa, Yoshikazu Mikami, Ai Nishihashi, Vinciane Regnier, Tokuko Haraguchi, Yasushi Hiraoka, Naoko Sugata, Kazuo Todokoro, William Brown, and Toshimichi Ikemura "CENP-H, a constitutive centromere component, is required for centromere targeting of CENP-C in vertebrate cells." The EMBO Journal (2001) Vol. 20, 4603-4617.
研究室紹介[国立遺伝学研究所 分子遺伝研究部門]
 研究室紹介なるものができる器の研究室ではないことは、重々承知していますが、最近たちあげた研究室を紹介せよという皆さんの要望にお答えして、少し書かせていただきます。私が所属する研究所は、国立遺伝学研究所 (図1)で静岡県三島市に存在しています。非常に過ごしやすい、いい自然環境にありながら、新幹線を使えば東京には1時間もかからないという便利さも兼ね備えています。ただ、研究所は、三島駅から約4km離れた山の上にあり、若い学生は、その環境に不満を持っているとも聞きます。私は、国立遺伝学研究所が参加している大学院 (総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻)で学位をとり、4年程、英国のOxford大学でポスドクをした後、1999年に国立遺伝学研究所の進化遺伝研究部門 (池村淑道教授)の助手として着任しました。助手時代の2001年にJSTのさきがけ研究に採択され、自前のポスドクやテクニシャンを雇用することができ、現在の研究室の母体をつくりました。2002年に総合研究大学院大学の葉山キャンパスで独立の機会を得た後、再び2003年7月から現在の国立遺伝学研究所分子遺伝研究部門に研究室を持つことができました。
図1. 国立遺伝学研究所の正面入り口。この暗い雰囲気が慣れるとたまらない。
図1. 国立遺伝学研究所の正面入り口。この暗い雰囲気が慣れるとたまらない。
分子遺伝研究部門は、初代教授の三浦謹一郎先生が、RNAのキャップ構造の発見を行った場所であり、石浜明教授が精力的にRNAポリメラーゼの研究を推進した伝統のある研究部門であります。名をけがさぬようにと着任当初は不安だらけでありましたが、どうにか研究室がたちあがってきたと思っています。2004年2月からは、生化学のエキスパートで同じく国立遺伝学研究所の広瀬進教授の研究室出身の岡田聖裕君が助手として着任し、数名のポスドクと優秀なテクニシャンと一緒に研究を進めています。ポスドクの中には、東北大学の水野重樹先生の出身者である堀哲也君なども在籍しており、細胞核ダイナミクスとゆかりのある若手研究者と一緒に仕事ができています。
 
 私は、ポスドク時代に染色体工学に興味を持ち、人工染色体の開発などを手掛けていましたが、人工染色体を構築する宿主細胞としてDT40細胞に出会いました。また、その時に人工染色体を構築するためには、セントロメアの基礎研究を行うことが必須であると思い、ポスドクの後半位から今日に至るまでDT40細胞を用いたセントロメアの研究を行っています。日本に帰国してからは、イメージング技術の大切さと面白さを原口徳子先生から教わり、平岡泰先生の顕微鏡を借りて、セントロメアタンパク質の変異細胞を観察したりしてきました。また、尊敬する友人の木村宏さんからも、イメージング技術の奥深さを教わり、自身のセントロメア研究に幅を持たせようと努力しています。日本に帰ってからの、諸先生との付き合いによって、本特定領域研究の末席に加えさせていただいております。現在は、助手の岡田君を中心とする生化学研究も軌道にのり出し、DT40細胞以外の材料も用いてセントロメアの研究を中心に行っています。近い将来には、ショウジョウバエやゼブラフィッシュのような個体の実験材料を用いて、染色体分配に関して広く研究してみたいと思っています。詳しい研究成果は、本特定領域の成果として世にだして行きたいと思います。
 
 国立遺伝学研究所は、大変研究環境のよい研究所で、1グループあたり6スパンの研究室がもらえます。また、各種共通機器が充実しており、やりたい実験はだいたい出来ます。従って、研究が進まないことを、機械がないからと言い訳ができないところが辛いところです。基本的な我々の研究室の状況は、図2から図6の写真で示します。コンパクトで整理された?大実験室 (図2)、広くて快適な培養室 (図3)、他の研究室と共有ながらだだっ広いRI室 (図4)、一応短い時間ならタイムラプスもできる顕微鏡装置 (図5、但し長時間のリビング観察は、原口、平岡両先生にお世話になっています)、生化学実験に欠かせない低温室と大体の分子細胞生物学実験を行うことはできます。また、遺伝学に関連した研究室が多くあり、研究室間の交流も盛んなので、議論に事欠くことはありませんし、実験で問題が起きたら、気軽に他の研究室に聞きに行けます。我々の研究室も、他のグループと共同でJournal Clubを行っています。
図2. 分子遺伝研究部門のメイン実験室 図3. DT40細胞を始めとする各種培養細胞の培養に欠かせない培養室。クリーンベンチ3台。CO2インキュベータ4台。

図2. 分子遺伝研究部門のメイン実験室。

図3. DT40細胞を始めとする各種培養細胞の培養に欠かせない培養室。クリーンベンチ3台。CO2インキュベータ4台。
図4. RI室。他の研究室と共有だが、広い。最近、RIを使う研究室が減ったせいで特に広い。 図5. 蛍光顕微鏡装置。基本はオリンパスIX71。生意気にもCool SnapHQを付けている。でも、本格的なイメージングは、原口、平岡両先生のお世話になっている。
図4. RI室。他の研究室と共有だが、広い。最近、RIを使う研究室が減ったせいで特に広い。 図5. 蛍光顕微鏡装置。基本はオリンパスIX71。生意気にもCool SnapHQを付けている。でも、本格的なイメージングは、原口、平岡両先生のお世話になっている。
図6. 生化学実験に欠かせない低温室。適度な広さで快適。  
図6. 生化学実験に欠かせない低温室。適度な広さで快適。  
 
 本記事を読まれた皆さん、近くにお立ち寄りの際は、是非声をかけてください。セミナーのアレンジをいたします。研究所の皆さんは、議論好きな人が多いのでセミナーをすると楽しいと思います。また、大学院進学をお考えの方がありましたら、歓迎いたします。上にも述べましたように、国立遺伝学研究所は自前の大学院を持っています。以前は、博士後期課程のみでしたが、今は学部卒で入学できます。研究所は、大学にない独特の雰囲気があり、研究者を目指す若い学生には、大変刺激的な場所だと思います。一度研究室を見学したい方は深川(tfukagaw@lab.nig.ac.jp)までメールをください。最後になりましたが、若輩者でありながらこのような環境で研究できるのは、特定領域を始めとする研究費の助成のおかげであると大変感謝しております。しっかりと成果をだすことで、恩返ししたいと研究に邁進する所存でございます。これからもご指導よろしくお願い申し上げます。
         
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