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    “季節繁殖を制御する新規光受容器の発見”

     熱帯以外の地域に生息するほとんどの動物は次世代がより良い環境で生育できるように、特定の季節にのみ繁殖活動を行う「季節繁殖」という戦略をとっている。その中でもウズラは洗練された季節適応能力を有しており、季節の変化に応じて生殖腺を急速かつ劇的に変化させる。生物は日長の変化をカレンダーとして季節繁殖を制御しているが、哺乳類以外の脊椎動物は脳内に存在する脳深部光受容器によって日長の変化を感知することが知られていた。脳深部光受容器の存在は約100年前にカール・フォン・フリッシュによって指摘されていたが、実体は不明であった。本研究では視物質(オプシン)スーパーファミリーの網羅的な発現解析の結果、ウズラの脳深部に発現する新規な視物質「オプシン5」を同定した。オプシン5は発生過程の視細胞と類似した形態を持つ髄液接触ニューロンに発現し、日長情報の中継地、下垂体隆起葉に投射していた(図1)。

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    さらに機能解析を行った結果、オプシン5は420nmの紫色光に最も高い感受性を示し(図2)、紫外線から青色光までの短波長光に反応し、精巣の発達を促すことが明らかになった。オプシン5は精巣にも発現していることから、今後精巣における機能の解明が期待される。

    News Release 吉村 2


    発表雑誌:
    Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A. in press

    タイトル:
    "A mammalian neural tissue opsin (Opsin 5) is a deep brain photoreceptor in birds"

    著者:
    Yusuke Nakane, Keisuke Ikegami, Hiroko Ono, Naoyuki Yamamoto, Shosei Yoshida, Kanjun Hirunagi, Shizufumi Ebihara, Yoshihiro Kubo, Takashi Yoshimura.

    詳しい情報
      >> 名古屋大学プレスリリース

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