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メダカ属魚類における性染色体と性決定遺伝子の進化

多くの脊椎動物では、個体のオス・メスは性染色体の組み合わせによって遺伝的に決定されています。
これら脊椎動物の性染色体は分類群によって独立に進化してきたと考えられていますが、この性染色体の独立進化をもたらした分子機構はほとんど明らかにされていません。
メダカ属(Oryzias属)はアジア固有の魚で、26種が記載されています。我々はこれまでに、メダカ属には異なる性決定様式(XY型とZW型)が混在し、解析した全ての種が異なる性染色体をもつことを明らかにしてきました。これらの結果は、メダカ属では次々と新しい性決定遺伝子が生まれ、それによって性染色体が独立に生じてきたことを示しています。これほどまで多様な性染色体をもつ分類群は他に知られていません。現在、我々はメダカ近縁種のBACライブラリーを整備し、ポジショナルクローニング法によって新規性決定遺伝子の同定を行っています。メダカ属魚類をモデルとすることで、性染色体多様化の分子機構に迫りたいと考えています。