学術変革領域研究(A) 令和8〜12年度 植物運動統御 オルガネラ発動型センサ・アクチュエータが統御する植物の運動

領域が目指すもの OUR VISION

センサからアクチュエータへの情報伝達と植物運動の概念図

植物は、動物のように筋肉や神経を用いて移動することはできませんが、根、茎、葉、花などの器官を巧みに動かすことで、光、重力、水分、接触などの環境刺激に応答し、生存と成長を最適化しています。本領域では、植物の運動を、単なる成長方向の変化としてではなく、環境情報を感知する「センサ」と、細胞の形を変えて運動を生み出す「細胞アクチュエータ」が連携するシステムとして捉え直します。特に、重力屈性を代表的なモデルとして、オルガネラ、細胞骨格、液胞、細胞壁、膜交通、遺伝子発現、力学的相互作用がどのように統合され、細胞から器官スケールの運動へとつながるのかを明らかにします。そのために、最先端イメージング、細胞操作マイクロデバイス、数理モデル、機械学習、ロボティクスを融合し、分子から器官までを横断する植物運動の統御原理を解明します。これにより、植物が環境を読み取り、自らの形を変える仕組みを包括的に理解し、生物における「運動」の概念を拡張することを目指します。

領域代表 森田 美代

自然科学研究機構
基礎生物学研究所 植物環境応答研究部門