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文部科学省科学研究費補助金「特定領域研究」細胞核ダイナミクス
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カエル胚を用いた核ダイナミクスの新規バイオイメージングシステム
しきり線
山口大学大学院・医学系研究科・応用分子生命科学 岩尾康宏・上野秀一 平成19−20年度
 

 同調した短い細胞周期で分裂するカエル受精卵は、核機能を制御している分子の解明に有用であるが、生きた細胞内での正確な分子間相互作用を解析するためにはリアルタイムでの分子イメージングが必要である。不透明なカエル割球を遠心して作成した透明化割球は、正常細胞と同様に細胞分裂し、蛍光タンパク質や細胞内小器官の観察が可能である。これにより、細胞周期が伸張して核機能が大きく変化する中期胞胚転移(MBT) 期で、S期やG1期/G2期での核内の機能分子の状態を蛍光タンパク質とFRET法によりリアルタイムで解析した。S期開始前からPCNAはDNAポリメーラδと密接に結合しているが、cdc45とは結合が見られなかった。G1期の出現・維持に必要と考えられているPTENの核内移行シグナルを解析し(図A)、この移行は細胞質内のCaイオンのシグナルによっていることがわかった(図B,C)。現在、G2期の出現に関わる分子やCa濃度調節に関わる分子も検討している。透明化カエル割球では全細胞周期を30分間で観察できるので、核機能解明のための有用な分子イメージングモデルである。今後、これを用いてS期の伸張、G1,G2期の出現・維持の形態形成や細胞分化に必要な転写活性化における役割をさらに明らかにしたい。

「透明化カエル割球におけるEGFP-PTENの細胞内イメージング」

図A,図B,図C

 

発表論文リスト:

  1. S. Ueno, R. Kono, Y. Iwao PTEN is required for the normal progression of gastrulation by repressing cell proliferation after MBT in Xenopus embryos. Developmental Biology 297: 274-283(2006)
  2. Y. Harada, T. Matsumoto, S. Hirahara, A. Nakashima, S. Ueno, S. Oda, S. Miyazaki, Y. Iwao Characterization of a sperm factor for egg activation at fertilization of the newt Cynops pyrrhogaster Developmental Biology 306: 797-808(2007)
         
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