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文部科学省科学研究費補助金「特定領域研究」細胞核ダイナミクス
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「分裂酵母テロメアの維持機構と核内配置に関する研究」
しきり線
京都大学大学院生命科学研究科 加納純子 平成17−18年度
 

 テロメアにおける特殊なクロマチン高次構造(ヘテロクロマチン)が形成されるメカニズムについて解析した。テロメアは、末端のテロメア繰り返しDNA配列部分(分裂酵母の場合、約300 bp)とその内側のサブテロメア部分からなる。クロマチン免疫沈降実験により、主にテロメア繰り返しDNA配列付近にTaz1-Rap1複合体が局在し、サブテロメア領域の約45 kbに渡ってSwi6 (HP1ホモログ=へテロクロマチンタンパク質)が局在し、これら2種類のタンパク質群が合わさってテロメアへテロクロマチンを形成していることがわかった。また、Swi6の局在する領域のヒストンH3-Lys9残基はメチル化されており、それはSwi6のテロメア局在に必須であった。テロメア領域のヒストンH3-Lys9のメチル化を誘導する因子を同定した結果、Taz1(テロメア特異的DNA結合因子)とRNAi(分裂酵母のヘテロクロマチン領域に共通のDNA配列を鋳型にしたRNA分子を利用する機構)がredundantに機能することがわかった。さらに、それらによってテロメア領域にリクルートされたSwi6はサブテロメア内部に局在を広げ、世代を超えて安定に維持されることが明らかになった。

図

 

発表論文リスト:

  1. Kanoh, J.*, Sadaie, M. Urano T. and Ishikawa, F. (2005) Telomere-binding protein Taz1 establishes Swi6 heterochromatin independently of RNAi at telomeres. Curr. Biol.15: 1808-1819. (* corresponding author)
         
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