基礎生物学研究所
新規モデル生物開発センター トレーニングコース
『新規モデル生物のマイクロインジェクション技術講習会』

近年のシーケンス技術やゲノム編集技術の目覚ましい進歩によって、新しいモデル生物の開発が可能になってきました。モデル生物の整備のためには、生物の安定的な飼育・繁殖、ゲノム・トランスクリプトーム等遺伝情報の整備に加え、機能解析のための実験操作技術の確立が肝要です。なかでも、マイクロインジェクションはゲノム編集やRNAiなど多くの機能操作に用いられる基盤技術です。しかしながら、マイクロインジェクションはそれぞれの対象生物種ごとに最適な方法や条件が異なり、固有のノウハウを要することから、その開発と習得は新規モデル生物開発の障壁となっています。そこで、多様な新規モデル生物開発を推進している基礎生物学研究所では、マイクロインジェクションの技術講習会を開催いたします。2日間の日程で、両生類(イベリアトゲイモリ)、昆虫(アブラムシ、シミ)、小型魚類(メダカ)を用いた実習を行います。さらに、マイクロインジェクションを応用した機能解析技術に関するレクチャーも行います。

2020年1月16日(木)〜 1月17日(金)

 - 1日目:9:00~9:30  受付
      9:30~11:00  オリエンテーション
      11:00~12:30 実習(生物種ごとに分かれて実施)
      12:30~13:30 ランチ
      13:30~17:30 実習(生物種ごとに分かれて実施)
      18:00~20:00 懇親会

 - 2日目:9:00~12:00  実習(生物種ごとに分かれて実施)
      12:00~13:00 ランチ
      13:00~13:45 実習報告会
      14:00~17:00 レクチャー
       14:00~14:45 毛利達磨(生理学研究所)
               「マイクロインジェクション − 定量的方法を中心に」
       14:45~15:15 企業トーク:(株)成茂科学機器研究所
               「マイクロインジェクション関連製品の紹介と質疑応答」
       15:30~16:15 鈴木賢一(基礎生物学研究所・広島大学)
               「ポストゲノム時代の基礎生物学におけるゲノム編集を用いた遺伝子機能解析〜両生類をモデルとして〜」
       16:15~17:00 大塚正人(東海大学・医学科基礎医学系)
               「i-GONAD:体外での胚操作を要しないゲノム編集動物作製法」

基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)

  1. 両生類コース(イベリアトゲイモリ): 鈴木賢一(基礎生物学研究所・広島大学)
    1. 新規モデル生物であるイベリアトゲイモリ(Pleurodeles waltl)を用いて、受精卵調製とmRNAもしくはCas9RNPインジェクションまでの一連の実習を行う。本実習で用いるプロトコールはアフリカツメガエルおよびネッタイツメガエルにも適用することが可能で、それぞれの生物種に応じたコツも紹介する。
       
  2. 昆虫コース(アブラムシ、マダラシミ): 重信秀治、新美輝幸(基礎生物学研究所)
    1. 新規モデル昆虫の卵および幼虫へのマイクロインジェクション技術を実習する。エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)を材料にゲノム編集を想定した卵(初期胚)へのインジェクションを行う。また、マダラシミ(Thermobia domestica)の幼虫を用いてlarval RNAiの実習を行う。

      (実習サポート:酒井弘貴、竹中將起、千頭康彦、鈴木みゆず)
       
  3. 小型魚類コース(メダカ): 成瀬清(基礎生物学研究所)
    1. マイクロインジェクションは小型魚類のゲノム編集・遺伝子導入などのゲノム改変操作に不可欠な技術である。本コースでは、メダカ(Oryzias latipes)を材料に、雌雄の判別、受精直後の卵の採取技術から顕微注入までの各ステップの実習を行う。また精子凍結による系統保存についても実習を行う。

      (実習サポート:矢野川梓、山崎瞳子)

鈴木賢一(基礎生物学研究所・広島大学)
毛利達磨(生理学研究所)
大塚正人 (東海大学)

重信秀治(基礎生物学研究所) 鈴木賢一(基礎生物学研究所・広島大学) 上野直人(基礎生物学研究所)

基礎生物学研究所

基礎生物学研究所 新規モデル生物開発センター
基礎生物学研究所 生物機能解析センター
大学連携バイオバックアッププロジェクト(IBBP)
ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)メダカ

参加費は無料(懇親会費として4,000円程度を別途徴収予定)

3コース合わせて、計12名程度

こちらの応募書類をダウンロードし、必要事項を記入の上、トレーニングコース事務局(newmod19@nibb.ac.jp)まで添付ファイルにてお送りください。

2019年11月30日(土)
申込多数の場合は当研究所で選考し、12月中旬までに参加の可否を通知します。

新規モデル生物開発センター トレーニングコース事務局
E-mail:  newmod19@nibb.ac.jp
TEL: 0564-55-7596
FAX: 0564-55-7576

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