《 基礎生物学研究所要覧 》機構共通研究施設(基礎生物学研究所関連)
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センター運営は,センター長(併任),助教授(専任)1名,放射線取扱主任者及び放射線管理者(技官)3名,2名の非常勤職員で行われている。 承認核種は次のようになっている。
平成13年度の放射線業務従事者数は163名,施設利用者は延べ7019名であった。 センター職員は日常の管理業務のほか,アイソトープ取扱いに関する安全技術の開発を行っている。 専任教官は基礎生物学のなかで古くから関心を持たれている精子の運動機構の研究を行っている。ダイニンは繊毛の運動モーターとして発見されたが,抗体を用いた研究から細胞質にも存在することが明らかになっている。例えば細胞では微小管は中心体より細胞周辺へとのびている。ダイニンは細胞質にあっては周辺部から中心部へと微小管をレールとして物質を運ぶ。同じように精子では頭部より鞭毛がのびている。ダイニンは物質(この場合自分が結合している周辺微小管)を隣の周辺微小管をレールにして頭部へと運ぶ。ただ精子の場合この動きは無制限でなく構造的な制約を受けている。この時に屈曲が形成されると考えられている。 ウニ精子ダイニンは分子量が150万に及ぶ巨大で複雑なタンパク質である。分子量50万の2つの重鎖,8万から12万の3つの中間鎖,3万以下の6つの軽鎖よりできている。図1はダイニンの研究でよく用いられる緑藻のクラミドモナスとウニの外腕ダイニンを比較したものである。重鎖には酵素活性があり,ATPのエネルギーを力に変えている。中間鎖にはチオレドキシン活性があり,重鎖の活性を制御していると考えられている。また軽鎖はリン酸化されることでダイニンの活性化に関与していると考えている。こうした研究を通して鞭毛運動における屈曲波形成と伝搬の仕組みを分子レベルで明らかにしようとしている。 図1. 外腕の構成タンパク質 参考文献
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