《 基礎生物学研究所要覧 》

共通施設

FACILITIES FOR NIBB AND NIPS


 基礎生物学研究所および生理学研究所に共通する施設として,現代の生物科学研究を総合的に推進し得るよう,以下の6室を設置している。これらに,平成12年度から機構共通研究施設となったアイソトープ実験センターおよび動物実験センターを含めて,一つの生物科学総合実験研究システムとして機能している。


基礎生物学研究所に所属する施設

分析室

 タンパク質や遺伝子の解析,合成・精製,および物質の構造解析から画像解析にわたり幅広い分析を行う約70種の各種分析機器を設置している。それらにより生物学研究に必要な分子生物学的および物理学的測定を行う。

洗滌室

 実験に使用されるガラス器具・プラスチック器具等の洗浄・乾燥・滅菌を集中的に行う。

廃棄物処理室

 実験で生じた廃液および廃棄物を回収し,研究所内外の環境保全を行う。

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共通施設棟I

1階 分析室 2階アイソトープ実験センター
地階 電子顕微鏡室および分析室

実験洗浄廃水処理施設


生理学研究所に所属する施設

電子顕微鏡室

 電子顕微鏡やレーザ顕微鏡を用い,生物細胞・組織の微細構造の観察,細胞内外の三次元像観察,細胞分画の同定,細胞内分子の形や位置の解析,微細構造内の化学物質の定量と量的分布を解析する。また,写真作画室では生物標本の接写や各種資料のスライド作成を行う。

機器研究試作室

 NC放電加工機,精密旋盤などの精密工作機械類を設備し,大型実験装置から小型精密機器に至るまで,各種の研究実験用機器や電子機器の製作,開発や改良,補修などを行う。

低温・冷凍実験室

 生物活性物質の分離調製と試料の保存を行う。


分析室

 分析室は,基礎生物学および生理学の研究に必要な各種の分析機器を約70種類備えており,それらの機器は技官により管理されている。設置機器はタンパク質・遺伝子の解析,ペプチドの合成,生理活性物質等の分離,精製,同定,構造解析そして画像解析まで幅広い研究に利用されている。さらに,プロテオーム解析にはMALDI/TOF-MSなどが活用されている。

1.タンパク質・遺伝子解析装置

 プロテインシーケンサ,アミノ酸分析計,DNAシーケンサによりタンパク質と核酸の一次構造決定や組成分析を行い,ペプチド合成装置によりペプチドの化学合成を行う。さらに表面プラズモン共鳴を利用した生体分子相互作用解析装置により,生体分子間の特異的相互作用を解析する。また核酸やプラスミドの抽出・分離装置,PCR等も備えている。

2.分離分析装置

 高速液体クロマトグラフ,ガスクロマトグラフ等を備え,生体中に含まれる微量物質の分析,定量および分取精製を行う。また各種の分離用遠心機やフローサイトメータを備え,細胞や生体物質の解析や分離調製を行う。

3.物理化学的解析装置

 核磁気共鳴装置(NMR),電子スピン共鳴装置(ESR)および質量分析装置(MS)による生体物質の定性・定量分析および構造や機能の解析を行う。

4.分光分析装置

 紫外可視分光光度計,蛍光分光光度計,フーリエ変換赤外分光光度計,レーザーラマン分光光度計,円偏光二色性分散計,マイクロプレートリーダー,マイクロプレートルミノメータ等,各種分光分析装置による生体物質の定量分析や分光学的解析を行う。またICP発光分光光度計により生体物質に含まれる金属元素の微量定量分析を行う。

5.顕微鏡・画像解析装置

 共焦点レーザー顕微鏡や走査型電子顕微鏡を備え,組織学的・細胞学的観察および細胞・組織レベルでの解析を行う。またバイオイメージアナライザ,画像解析装置等により,電気泳動,フィルム等の画像解析および画像処理を行う。

参考文献

  1. Kurata, M., Yamamoto, Y., Watabe,S., Makino, Y., Ogawa, K. and Takahashi, Y. S. (2001) Bombyx CysteineProteinase Inhibitor (BCPI) Homologous to Propeptide Regions of CysteinProteinnases Is aStrong,Selective Inhibitor of Cathepsin L-like Cystein. J.Biochem.130, 857-863.
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MALDI/TOF-MS


洗滌室

 全自動洗浄機,超音波洗浄装置および滅菌装置(ガス滅菌機,オートクレーブ,乾熱滅菌器)を備え,実験で使用されているガラス器具等の洗浄・滅菌が効率的に行える施設である。毎年多く利用されている。


廃棄物処理室

 実験洗浄廃水処理施設の管理および実験濃厚廃液の分別回収を行い,研究所内外の環境の維持に努めている。

 廃水処理施設では,両研究所から排出される約200t/日の廃水処理を行い,併せて処理水の水質管理を行っている。また,平成13年度は約2,000Lの濃厚廃液を回収した。


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