研究概要

 
 

 活性なトランスポゾンの転移は宿主にとって有害なので、ゲノム中の因子により抑制されているが、転移する事ができる活性型のDNAトランスポゾンが存在した場合、植物では花や葉の斑入り模様として観察できます。イネのゲノム中の13%を占めるDNAトランスポゾンの中から、自然栽培条件下で転移できるhATファミリーに属する複数の活性型を同定し、その転移機構と転移を制御しているゲノム中の因子を明らかにすることを目指しています。活性型と不活型のへの変化は、DNAのメチル化などのエピジェネティクな制御を受けており、さらに活性型をトランスに制御できる因子がゲノム中に存在していたので、その構造と制御機構の解明を行っています。また、同定したDNAトランスポゾンのうち、遺伝子に挿入し易い性質をもっていたnDart1は、遺伝子の機能破壊や機能改変した突然変異体を分離する遺伝子タギング系統の作出に適した性質を持っていました。更に遺伝子機能の欠損した変異体だけでなく、優性変異を含む興味深い変異体も分離してくるのでイネの新規遺伝子の解析も行っています。