DNAトランポゾンを用いたイネ遺伝子の機能ゲノム学

DNAトランポゾンを用いたイネ遺伝子の機能ゲノム学
nDartとは
サイズ: 607 bp
読み方 えぬだーと
種類: hATファミリーに属するDNAトランスポゾンで非自律性因子
日本晴でのコピー数:13
転移に必要な物:自律性因子 active autonomous Dart
特徴1:特定の系統で自然栽培条件下で転移する
特徴2: GC含量の高い遺伝子領域に挿入し安い
aDartとは
サイズ: およそ3.5 kb
読み方 えーだーと
種類: hATファミリーに属するDNAトランスポゾンで自律性因子
日本晴でのコピー数:0 (エピジェネティックな制御を受けて不活化している)特定の系統では、1コピー
転移に必要な物:aDartはイネゲノム中では通常転移しない
iDartとは
サイズ: およそ3.5 kb
読み方 あいーだーと
種類: hATファミリーに属するDNAトランスポゾンで自律性因子になりうるがメチル化などのエピジェネティックな制御を受けて、不活化している因子
日本晴でのコピー数:35
転移に必要な物:iDartはイネゲノム中では通常転移しない
nDartは自然栽培条件下で転移することができるDNAトランスポゾンです。転移をするためには、自律性因子であるaDartが必要ですが、不思議な事にaDartはイネゲノム中では転移を検出できていません。エピジェネティックな制御を外してあげると転移する事ができるので、イネのゲノム中では転移酵素を供給してnDartを転移させているだけで、自分自身は転移できません。aDartを遺伝的に分離することで、nDartの挿入によって得られた変異体は遺伝的に安定な性質を持ちます。
これまでの解析からnDartは遺伝子領域に挿入し易い性質をもっていることが分かっています。そこでnDartが活発に転移する系統を育てる事によって、様々な突然変異体を分離して機能未知遺伝子の機能解析を行っています。さらに、優性や半優勢な変異体も出現するので新たな遺伝子破壊系統をつくる事を目指しています。
nDartを使ったイネ遺伝子機能の解析