最終更新:Feb 01, 2010 発表論文

Feb
1st

Cerebral Cortex誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail大学院生の佐々木哲也君と小松勇介特任助教らによる研究結果がCerebral Cortex誌電子版に掲載されました。領野特異的発現を示す遺伝子を探索した結果、軸索誘導因子として知られるSLIT1遺伝子のmRNAがマカクザル高次連合野に強く発現していることを見出しました。写真は、SLIT1がマカクザル前頭前皮質(area 46)に強く発現していること、一次視覚野(V1)ではほとんど発現していないことを示しています。発生段階を追った解析の結果、SLIT1発現の領野特異性は生後に形成されることがわかりました。このことは成熟の進んだマカクザルの高次連合野において、SLIT1が軸索誘導作用とは異なる役割をもっていることを示唆しています。

Jul
6th

PNAS誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail高畑元研究員の論文がPNAS誌電子版に掲載されました。本研究では、片目を遮蔽して3時間以内のマカクザルの一次視覚野(V1)で最初期遺伝子(c-fosやzif268)の発現を調べることにより、眼優位性カラムの中に新しい構造を発見しました。具体的には、表層にのみ存在すると考えられていたブロッブが実は6層まで続いていたこと、4C層の眼優位性カラム境界付近に際立った構造(ボーダーストリップ)が存在することの2点です。写真はV1の4C層の水平断面における、zif268に対する染色像で、白丸が正常な眼、黒丸が遮断された眼に対応するカラムをそれぞれ現します。ボーダーストリップに強い発現があることを挿入拡大図で示しています。これらの構造は両眼視の情報処理と密接な関連があると予想されます。

Apr
14th

Cerebral Cortex誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail大学院生の高司雅史君と小松勇介特任助教らによる研究結果がCerebral Cortex誌電子版に掲載されました。マカカザルの大脳皮質で領野特異的な発現パターンを示す遺伝子を探索した結果、paraneoplastic antigen-like 5 (PNMA5) という機能的に全く未知な遺伝子のmRNAが前頭連合野や側頭連合野に強く発現していることを発見しました。PNMA5の発現は、旧世界ザルのマカカザルや新世界ザルのマーモセットなど霊長類では領野特異的な発現を示すものの、齧歯類の脳ではまったく発現していないことも示しました。大脳皮質連合野は霊長類でよく発達していることから、PNMA5は連合野の機能に重要な働きを担っているのではないかと期待されます。写真はPNMA5の発現がマカクザルの連合野(area 46)では高く、1次視覚野(V1)では低いことを示しています。

JAN
30th

プロテオミクス・構造生物学講演会を開催しました。

@愛知県岡崎市 岡崎コンファレンスセンター

thumbnail平成21年1月30日(日)−31日(土)に第4回プロテオミクス・構造生物学講演会を開催しました。統合脳支援班リソース「脳科学におけるプロテオミクス手法の開発と普及」プロジェクト(代表:山森哲雄)と、大阪大学蛋白研究所(世話人:中川敦史教授)との共催で行われました。プロテオミクスや構造生物学の専門家や、これらの手法を脳科学に適用している研究者ら、16人の演者の方々による発表があり、多数の参加者による活発な議論がなされました。

Jan
10th

Neuroscience誌電子版に論文が掲載されました。

PubMed

thumbnailイタリアのFrassoni教授らとの共同研究の結果がNeuroscience誌電子版に掲載されました。妊娠期の薬物投与によって作製した皮質形成異常のラットモデルにおいて、どのような層構造の異常が起こっているかを調べるために、大脳皮質各層の分子マーカーの発現パターンをin situ hybridization法によって可視化した研究です。図は、cux2を発現する「上層ニューロン」が、Nurr1を発現する「下層ニューロン」の中にトラップされた様子を示しています。

Dec
10th

Cerebral Cortex誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail高畑元研究員(現在の所属はVanderbilt大学、Jon Kaasラボ)の論文がCerebral Cortex誌電子版に掲載されました。我々は以前にocc1遺伝子がマカクザル一次視覚野(V1)において強く発現することを示していましたが、本研究ではそのファミリー遺伝子であるtestican-1とtestican-2もocc1同様V1で強い発現をすることを示しました。また、同じファミリーに属するSPARCが一次視覚野に少なく連合野に多い、つまりocc1等とは相補的なパターンで発現することも発見しました。このことは、細胞外マトリックスを構成するとされるこれらの遺伝子群が、協調してそれぞれの領野の特性を決めている可能性を示唆しています。写真はマカクザルV1/V2境界付近におけるtestican-1の発現パターンを示しています。

Dec
5th

Cerebral Cortex誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail渡我部助教らによる研究結果がCerebral Cortex誌電子版に掲載されました。本研究は大阪大学の佐藤宏道教授の研究室との共同研究で行われました。領野特異的な発現パターンを示す遺伝子を探索した結果、マカクザル一次視覚野においてセロトニン受容体の1Bと2Aというサブタイプが極めて強い発現を示すことを発見しました。写真はin situ hybridization法で可視化した1B受容体の発現を示しています。電気生理実験によってこれらの受容体の視覚応答に対する効果を解析した結果、視覚応答のノイズを減少させゲインを制御することを示す結果を得ました。

SEP
24th

PLoS ONE誌に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnail廣川研究員と渡我部助教らによる研究結果がPLoS ONE誌に掲載されました。本研究はdouble in situ hybridization法(ISH)と以前に我々が開発したCorticalBox法を用いてラットの大脳皮質に発現する3種類の遺伝子(RORb, ER81, Nurr1)の発現パターンを解析しました。これらの遺伝子はお互いに相補的・排他的な発現パターンをしていることを明らかにし、大脳皮質における遺伝子発現がシンプルな規則に支配されていることを示唆しました。写真はRORbeta(赤)とER81(緑)の二重ISH像を示しています。詳しい和文解説はこちらです。また本論分で使用したプログラム、サンプルファイルをこちらで公開しています。

JUL
7th

PNAS誌電子版に論文が掲載されました。

Journal website

thumbnailTufts UniversityのLyckman博士との共同研究の結果がPNAS誌電子版に掲載されました。臨界期にマウス視覚野で発現レベルが変化する遺伝子を探索した論文です。マイクロアレイによる探索の結果、臨界期には特にトロポニンCの発現レベルが増大していること、またsynCAMの発現レベルが減少していることを発見しました。これらの遺伝子はシナプスの安定性に関与しており、臨界期に可塑性が高まることと関係すると考えられます。写真は臨界期(P28)のマウス視覚野におけるトロポニンCのmRNAの発現パターンを示しています。トロポニンCは4層に強い発現が見られ、第二次視覚野(V2L)と比較して第一次視覚野(V1)で発現が弱くなっていることが分かります。

MAR
7th

”大脳皮質の発生と可塑性II”を開催しました。

@愛知県岡崎市 岡崎コンファレンスセンター

thumbnail平成20年3月7日(金)〜8日(土)にかけて、基生研研究会”大脳皮質の発生と可塑性II”を開催しました。本研究会は、我が国においても大脳をはじめとした中枢神経系における発生学的・生物学的研究をさらに発展させることを趣旨としています。 大脳皮質での細胞分化、細胞移動、回路形成、環境との相互作用、系統発生などのトピックに関して、17人の演者による研究発表が行われ、活発な討論がなされました。

FEB
8th

”遺伝子導入法の神経研究への応用”を開催しました。

@愛知県岡崎市 岡崎コンファレンスセンター

thumbnail平成20年2月8日(金)〜9日(土)にかけて、基生研研究会”遺伝子導入法の神経研究への応用”を開催しました。この研究会は基礎生物学研究所重点共同研究の報告会でもあります。ウイルスやエレクトロポレーションなど、マウス以外のモデル動物にも応用可能な遺伝子導入法を使っている研究者が集まり、神経研究における遺伝子導入法の適用について話し合いました。9人の演者による研究発表が行われ、活発な討論がなされました。

FEB
2nd

渡我部助教が中学生のための理科授業を行いました。

@愛知県岡崎市 岡崎市立葵中学校

thumbnail平成20年2月2日(土)に岡崎市立葵中学校で、市内の中学生70名余りを集めて「中学生のための自然科学研究機構研究者による理科授業というイベントを行いました。山森研からは渡我部助教と大澤技官が参加しました。渡我部助教が「遺伝子から脳へ」と題した授業を行った後、タマネギの細胞観察とDNA抽出の実験を行いました。中学生たちは、初めての研究者による授業や本物のDNAを自分たちで取り出すという体験に目を輝かせていました。

JAN
13th

プロテオミクス・構造生物学講演会を開催しました。

@愛知県岡崎市 岡崎コンファレンスセンター

thumbnail平成20年1月13日(日)に第3回プロテオミクス・構造生物学講演会を開催しました。統合脳支援班リソース「脳科学におけるプロテオミクス手法の開発と普及」プロジェクト(代表:山森哲雄)と、大阪大学蛋白研究所(世話人:中川敦史教授)との共催で行われました。プロテオミクスや構造生物学の専門家や、これらの手法を脳科学に適用している研究者ら、18人の演者の方々による発表があり、多数の参加者による活発な議論がなされました。

JAN
12th

Neuroscience誌電子版に論文が掲載されました。

ScienceDirect

thumbnail大学院生の廣川純也君の論文がNeuroscience誌電子版(Articles in Press)に掲載されました。本研究は京都大学の櫻井芳雄教授との共同研究で行われました。動物の脳は複数の感覚チャネルからの情報を統合することによって、より素早く正確な運動を可能にしています(multisensory facilitation)。脳のどこで視覚と聴覚情報が統合され、どのようにして素早い運動が可能になるのか、その神経機構の解明を目的とした研究です。図はラットに視聴覚統合課題を行わせたときに大脳皮質においてc-Fos遺伝子の発現が特異的に増加した領域を示しています(V1:第一次視覚野、V2L:第二次視覚野外側領域、A1:第一次聴覚野)。詳しい和文解説はこちらです。

以前のニュースはこちら