|
基礎生物学研究所 植物発生遺伝学研究部門 |
| [研究内容] [業績目録] [セミナー] [大学院生募集] [LINK] [スタッフ] [岡崎の植物] [TOP] |
|
葉を花に変える--ABCモデルの新たな展開 後藤 弘爾(岡山県生物科学総合研究所・室長) 日時:4月26日午後3時半より5時 場所:基生研1階会議室 要旨: 20世紀最後の10年間は、まさに花の発生遺伝学が花開いた時期ということができる。1990年代初頭に提案されたABCモデルは、植物の種を問わず多くの花に適用できることが実証された。A、B、Cの3つの遺伝子機能の組み合わせにより、がく片、花弁、雄ずい、心皮の4つの花器官の形成を制御するという、ABCモデルのもっとも美しい証明の一つは、A、B、Cすべての遺伝子機能を失った花器官は、葉になるということである。これは200年以上も前に、ゲーテが「花は葉のmetamorphosisによって出来た」といったことを彷彿とさせる。しかしながら、ゲーテの仮説を証明するには、逆に葉を花に変え得ることを示す必要があるが、これまで成功していなかった。 今回我々はA、B、C3つの遺伝子機能に加え、花器官形成に新たな因子(SEP遺伝子)が必要であることを見つけた。さらにこのSEP遺伝子と、A、B、C遺伝子との組み合わせの異所的な発現によって、葉が花器官に転換することを示した。またSEP遺伝子も、ABC遺伝子群と同様、MADSボックス転写因子であった。このことと生化学的な解析から、花の形態形成においては、相同性を持つ転写因子群の複合体が、その組み合わせによって特異的にターゲット遺伝子の転写制御をするというモデルが考えられる。 文献:Honma, T. and Goto, K. (2001) Complexes of MADS-box proteins are sufficient to convert leaves into floral organs. Nature 409: 525-529. |
|
Characterization of the mammalian COP9 signalosome. -a novel regulation of c-Jun phosphorylation mediated by CSN1- Dr. Tomohiko Tsuge Dept. of MCDB, Yale University, New Haven CT 06520-8104, USA 日時:11月30日午後3時半より5時 場所:基生研1階会議室 COP9 signalosome is a large protein complex containing eightsubunits that is evolutionarily conserved from plants to animals.In plants, the complex is known to be a general developmentalrepressor. Although some subunits have been shown to regulatevarious cellular signaling processes, how each subunit executesthese activities as part of a multi-protein complex is not understood. In this presentation, we demonstrate that transient expressionof mammalian CSN1 (COP9 signalosome subunit 1, GPS1) can inhibitc-fos expression in a transfected template or a chromosomaltransgene (fos-lacZ). Moreover, CSN1 blocks MEKK1 or UVstimulated phosphorylation of c-Jun at Serine 63, and suppressessignal activation of AP-1 promoter and SRE (serum-responsiveelement) promoter. In relationship of CSN1 to the complex, weshow that the C-terminal half of CSN1 encompassing the PCI domainis responsible for integration of the subunit into the complex;while transient expression of the N-terminal fragment lead toaccumulation of monomeric forms. The CSN1 N-terminal fragmentof 196 amino acids residues is unable to stably associate withthe complex, but it harbors the activity domain that is necessaryand sufficient to confer all of the repression functions of CSN1.Therefore, CSN1 possesses an autonomous activity at its N-terminaldomain that mediates suppression of c-Jun phosphorylation andof stress and growth factor stimulated gene expression. We are currently isolating proteins interacting with the N-terminalfunctional domain to further understand the biological functionsof CSN1. |
|
光環境への葉と葉緑体の分化〜光認識部位の解析〜 矢野 覚士(大阪大学・大学院・理学部・生物科学) 日時:12月6日午後2時より3時半 場所:基生研1階会議室 陸上植物は生育する光環境に応じて,陽葉と陰葉を形成する。現在までに,陽葉と陰葉を生理学的,生態学的に比較した研究が数多く行われてきたが,その発生・分化過程,特にその制御機構を解析した研究は数少ない。陽葉化,陰葉化においては光環境を認識することが非常に重要である。しかしながら,現在までこれらの現象に関わっている光認識機構の解析は行われていなかった。このため,まず光を認識している部位を,植物に部分被陰処理をすることによって調べた。 また,陸上植物は,光環境に応じて葉緑体の形態を変化させ,強光下でsun-type,弱光下でshade-typeと呼ばれる葉緑体を形成する。今回我々は,こうした葉緑体の分化に成熟した葉における光環境が関わっているのかどうかも検証した。 茎頂部分のみを強光条件にしたとき(下位葉は弱光条件,High-light Apex [HA]処理)に形成される葉と,茎頂部分のみを弱光条件にしたとき(下位葉は強光条件,Low-light Apex [LA] 処理)に形成される葉の形態と葉に含まれる葉緑体の形態を観察した。その結果,葉の形態としてはHA 処理で陽葉,LA 処理で陽葉が形成されていた。またHA 処理ではsun-type,LA 処理ではshade-typeの葉緑体が形成されていた。 このため,葉の分化には成熟した葉の光環境が影響を与えており,葉緑体の分化には局所的な光環境が影響を与えているといえる。よって,成熟した葉における光環境は,新しく形成される葉の形態を支配するが,その葉緑体の分化には影響を与えていないと考えられる。 URL: |
|
シロイヌナズナ種子でのABA感受性の遺伝学 南原英司博士(理化学研究所・植物科学研究センター) 日時:1月30日午後2時より3時半 場所:基生研1階会議室 高等植物の種子の発芽は、吸水後に速やかに起こる場合があればそうでない場合もある。種子は自己の生長を積極的に抑制する機構を持ち合わせており、不適な環境の中では吸水後もそのまま寝続けることもある。この種子の眠りは植物ホルモンであるabscisic acid (ABA)によって促進される。シロイヌナズナを用いた遺伝学的な研究から、種子休眠は、ABAの量とABAの情報伝達因子、および、ABA非依存的な調節タンパク質などが関与することが明らかになってきている。シロイヌナズナを使った突然変異株の選抜・解析から、種子でのABA感受性に関わる正の調節遺伝子(ABI3, ABI4, ABI5)と負の調節遺伝子(ERA1, ERA3, ABI1, ABI2)などがクローン化されている。これら遺伝子の解析から分かってきている事を中心に話をしたい。 |
|
「遺体科学の明日」 遠藤 秀紀(国立科学博物館) 日時:10月14日(火)午後3時半より5時
解剖学は昔から動物の遺体を徹底的に収集してきた。本来収集に先んじて研究目的が存在している訳ではなく、「遺体は解剖学者が生命をかけて集め続けるもの」とされてきたはずである。だが時は移ろい、“解剖学者”は遺体に見向きもしなくなった。還元主義に凌駕されたと自己評価を限定した解剖学者が、表現型に関心をもたなくなったからである。一瞬にして遺体集めは下賎の生ゴミ収集作業と同一視されるようになった。21世紀初頭の“解剖学者”のごく普通の姿は、遺体に唾を吐き、何かほかのことでインパクトファクターを得、まるで小学生の算盤教師のごとく学生に“解剖学”を披露する、理念も世界観も無い労働者のそれである。 一方、国策科学や環境行政が、何億円もの金を手に、遺体の前に姿を見せるようになった。社会教育にも健全なゾーロジーの発展にも、アカデミズムのあるべき姿にもましてやナチュラルヒストリーの未来にも、何の問題意識ももち得ない衆に、権力が資力を与えていく。そして彼らはゲノムを収奪する植民地支配者として遺体の周辺を歩きまわり、本物の解剖学者を見て右往左往をし始める。傍らで力なき遺体の持ち主たちは、突然現われた葬儀場泥棒に困惑する以外に、自分のアイデンティティを発揮することはない。 私は、自分が古いタイプのアカデミズムの人間だと認識している。そして「遺体科学」を立ち上げている。そこには「遺体をアカデミズムに残すためなら、喜んで死ねる自分」がいる。いつの間にか遺体科学は、おそらく恥ずかしくないだけのオリジナリティを科学の世界に提供し始めているだろう。 今日は遺体と接する私の生き様を見ていただければ幸いである。そういう私の日々をつまみに、楽しい現場の話が進めばなお楽しい。私の願いはただ一つ。遺体に関心をもつすべての人間に、遺体と学問の未来を真剣に問いかける能力と意志を備えて欲しいということである。 |
|
基礎生物学研究所研究集会 日時:2005年5月28日(土) 会場:自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター 基礎生物学研究所 岡崎コンファレンスセンター プログラム:
13:30-15:00 研究発表(午後)
15:00-16:00 ポスター発表およびヒマラヤ高山植物写真展(吉田外司夫)
16:10〜17:30 第42回ヒマラヤ植物研究会
18:00〜 懇親会 |
|
基礎生物学研究所重点共同利用研究・研究会 日時:2005年10月5日(水)〜10月6日(木) 会場:岡崎コンファレンスセンター
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
Meristems and polarity in land plants Dr. John L. Bowman (Section of Plant Biology, University of California Davis) 日時:11月 8日(火)午後2時より3時半 場所:基生研1階会議室 このたび、花のABCモデルと葉の背腹性のYABBYで有名なJohn Bowman博士が来日されたのを機に、植物の体制の決定機構とその進化とについて、ご講演をお願いしました。John Bowman博士は、ご存知のように、大学院生時代に、花器官のアイデンティティー決定に関する有名なABCモデルを完成させました。その後、現在に至るまでに、葉の背腹性(裏表)決定因子であるYABBY遺伝子ファミリーやクラス3のHD-ZIP遺伝子ファミリーなど、植物の器官のアイデンティティー決定に関する重要な因子を次々と発見されています。またそれと平行して、ナチュラリストとしての側面から、それらの遺伝子が植物の形態の進化にどのように関わってきたか、というエボデボ的な研究も進めておられます。この機会に、ご自身の研究成果に基づく最新の知見について、セミナーをしていただけることとなりました。どうぞふるってご参加ください。 S h o o t s o f a l l l a n d p l a n t s h a v e a r a d i a l p a t t e r n w h i c h c a n b e c o n s i d e r e d t o h a v e a n a d a x i a l ( c e n t r a l ) -- a b a x i a l ( p e r i p h e r a l ) p o l a r i t y . I n |