大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 基礎生物学研究所(所在:愛知県岡崎市)は、「大学生のための夏の実習2016」を開催します。8月31日(水)〜9月1日(金)の2泊3日の日程で、基礎生物学研究所にて生物学に関する実習を行います。対象は、生命科学系の大学生、または、生物学に関心を持つ他専攻の大学生です(学部1年生〜4年生どの学年でもOK)。短期の実習のため、実習レベルは比較的初級です。実習を通して、研究所生活を体験すると共に、大学の枠を超えた交流を楽しみませんか?各コースにつきそれぞれ3名程度を募集します(応募者多数の場合には、志望理由を元に選考とさせて頂く場合がございます)。
8月31日(水)
10:00 - 10:30 受付 (基礎生物学研究所 明大寺地区)
10:30 - 11:30 開校式 (あいさつ・スタッフ紹介・参加者自己紹介)
11:30 - 17:30 コースごとに分かれて実習
18:00 - 交流会
9月1日(木)
10:00 - 17:30 コースごとに分かれて研究室にて実習(終了時間が遅くなるコースもあります)
9月2日(金)
10:00 - 12:30 実習成果発表会(受講生の皆さんによる体験内容の発表)
12:30 - 13:00 閉校式
13:00 - 関心があれば所内の研究室を訪問できます。所内では大学院説明会も開催されます。
対象:生命科学分野を専攻する大学生、または、生物学に高い関心を持つ他専攻の大学生。高等専門学校の3年次以上の方も対象です。
受講料:無料
旅費・宿泊費のサポートはありません。希望者は、研究所の宿舎(一泊2500‾2700円)をご利用いただけます。
マメ科植物は根粒菌と共生して大気窒素を栄養素として取り込む画期的なシステムを進化させました。根粒と呼ばれる共生器官の形成や根粒菌を植物細胞の中に導く仕組みなど、根粒共生のプロセスには進化学的に機能を獲得した多くの遺伝子が作用します。実習では、ミヤコグサの突然変異体の観察から共生過程で作用する遺伝子の役割を考えます。
ES細胞は体を構成する全ての細胞に分化する能力を備えた多能性細胞です。その特質を活かして、これらを再生医療に役立てようという試みがさかんに行われています。しかし、多能性細胞そのものについては謎がたくさんです。実習ではES細胞の細胞周期に焦点をあて、フローサイトメトリーや顕微鏡を使った解析からES細胞に対する理解を深めましょう!
緑色蛍光タンパク質 (GFP) を発現して光るマウス大脳を用いて、切片作成、蛍光顕微鏡による蛍光観察と画像取得をおこないます。通常の透過光顕微鏡では脳組織中の神経細胞の形態は観察が困難ですが、GFPで光る神経細胞は蛍光顕微鏡により詳細な形態まで浮き彫りにすることができます。神経細胞の美しい姿を実感してください。
ES細胞は、神経や筋肉などの体の組織に存在する様々な細胞に分化することのできる”スーパー”な細胞です。実習では最先端の技術を用いることにより、ES細胞の中で起きている様々な生命現象をライブイメージングしちゃいます!幹細胞ってなに?ライブイメージングってなに?と思った、あなた。Don't miss it!
生物の発生や生長に一次代謝は欠かせません。この一次代謝が乱れた場合、発生や生長に異常が出てきます。この実習では、一次代謝経路に摂動を与えたとき、シロイヌナズナの初期生育がどう変化するのか調べます。そこから、まだ知られていない、植物の発生・生長と一次代謝を巧みにつなぐ仕組みを探ります。
メダカは色、形、大きさ、動きなどの様々な情報に基づいて群れる相手を選択すると考えられます。本実習では特に動きの情報を体系的に操作することができるメダカのバイオロジカルモーションのアニメーションを作成し、アニメーションに対するメダカの行動反応を記録する予定です。メダカの行動実験やアニメーションプログラム作成の基礎を学んでみましょう。
アメーバはたくさんの突起(仮足)を伸ばしながら活発に動き回る単細胞生物です。光シート顕微鏡と呼ばれる最新方式の顕微鏡を自分たちで組み立て、蛍光染色したアメーバを4次元(XYZ+時間)撮影し、3次元再構成ソフトを使ってムービーを作成します。顕微鏡の原理と画像処理の基礎を学びつつ、細胞の動きの面白さに触れてみてください。
緑色蛍光タンパク質(GFP)は生きた個体の細胞で観察することができるので細胞を標識するのに最適な方法です。最新の研究用顕微鏡を使って、血球が光るメダカのGFP蛍光を観察したり、熱ショック応答でGFPを発現するメダカにレーザー光でGFPを発現させて、その後細胞がどのように変化するかを観察したりします。これらの実験を通じて生命科学の研究現場を体験してもらおうと考えています。
エピジェネティクスは、生命科学のあたらしい概念です。遺伝子を操ることで、発生、分化、環境適応など幅広い生命現象を支配しています。エピジェネティクスの動きは、三毛猫の模様など目にみえるかたちで現れることがあります。ここではアサガオの模様を使って、エピジェネティクスの担い手である「DNAメチル化」を調べます。リアルタイムPCRで花色遺伝子のDNAメチル化とmRNAを定量して、エピジェネティクスと模様の関係を観る予定です。
自然科学研究機構 基礎生物学研究所は愛知県岡崎市にある生物学の研究所です。生命の営みの基本をなす遺伝子の働きや細胞の働きを探ると共に、生物が環境に適応し、そして多様な形と能力を持つに至った仕組みを明らかにすることを目指して研究活動を行っています。総合研究大学院大学 生命科学研究科 基礎生物学専攻として大学院教育も行っています。
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