文部科学省科学研究費特定領域研究「性分化機構の解明」 *

研究成果

吉岡 秀文 YOSHIOKA, Hidefumi
兵庫教育大学 学校教育学部
研究項目A01 「性分化の分子基盤の解析」
研究課題 鳥類生殖腺の性分化機構の解明(平成17年度〜平成18年度)
     鳥類の生殖腺の性決定遺伝子の同定と性分化機構の解明(平成19年度〜平成20年度)

Mesonephric Fgf9 as the signal that stimulates gonad formation. Hidefumi Yoshioka, Yoshiyasu Ishimaru, Noriyuki Sugiyama, Naoki Tsunekawa, Toshiaki Noce, Megumi Kasahara, and Ken-ichirou Morohashi. Dev. Biol. 280, 150-161, 2005

研究内容概説―FGF9はマウスにおいては生殖腺の雄化に不可欠な因子であることが分かっている。本研究ではニワトリ生殖腺におけるFGF9の機能を解析した。ニワトリ胚ではFGF9はAd4BP/SF-1やDMRT1陽性の生殖腺原基に接して発現し、生殖腺原基にはFGF受容体が発現することが分かった。そこで予定生殖腺を含む領域にFGF9を強制発現させたところ、細胞増殖の亢進を引き起こし、結果的に生殖腺の異常な増殖が認められた。これらの細胞は生殖腺マーカーを発現すること、また始源生殖細胞がその周囲に集まることから、生殖腺としての特徴を有していると思われた。しかしながら、強制発現したFGF9が雄のマーカー遺伝子の発現を誘導することはなかった。この結果は、ニワトリとマウスにおけるFGF9の機能は異なること、またはFGF9が生殖腺の形成と雄化に関与するが、本研究におけるFGF9の強制発現は生殖腺形成機能を増強したことなどが考えられる。本研究は基礎生物学研究所の諸橋憲一郎先生との共同研究である。


2005年発表論文

Hidefumi Yoshioka, Yoshiyasu Ishimaru, Noriyuki Sugiyama, Naoki Tsunekawa, Toshiaki Noce, Megumi Kasahara and Ken-ichirou Morohashi. Mesonephric FGF signaling is associated with the development of sexually indifferent gonadal primordium in chick embryos. Developmental Biology 280, 150-161 (2005)