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大学共同利用機関法人 自然科学研究機構

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研究報告

2008.02.18

総研大英語教育特別講義~Scientific Presentation and Writing が行われます

形態形成研究部門の進藤麻子大学院生と上野直人教授らは、アフリカツメガエル原腸形成運動における細胞極性の開始機構の一端を明らかにしました。
一つ一つの細胞がルールに従って一定の方向性・性質(細胞極性)を獲得することは正常な形作りに必須な過程です。この細胞極性の獲得についてはこれまでの多くの研究によって分子的メカニズムが明らかになってきています。しかし、細胞に極性化のスタートを知らせる合図については不明でした。今回の成果では、この極性開始の合図が組織と組織の間に境界が生まれることと関係している可能性があることを微小管の伸長方向の変化を細胞レベルで撮影することから見いだしました。アフリカツメガエルの初期胚では、背側で脊索を形成するために極性をもった細胞が運動を起こします。その細胞内では、微小管は隣の組織との境界に向かって極性を持った伸長をすることがわかりました。隣り合う組織間の性質の違いによって、極性が生まれることも明らかにしました。これらの結果から、組織境界が極性化に必要な情報を持つ可能性が考えられました。今回の成果は、極性形成がどのようにして始まるのかという本質的な現象の解明に迫ったもので、今後、これを手掛かりに形作りに貢献する極性形成開始機構の解明が期待されます。

 

この成果は2008年2月13日発行の米国科学誌PLoS ONEにて発表されました。


New and Exciting in PLoS ONEに取りあげられています。

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・2008/02/13 PLoS ONE