Swingley, W. D., Iwai, M., Chen, Y., Ozawa, S.-I., Takizawa, K., Takahashi, Y., Minagawa, J.
Characterization of photosystem I antenna proteins in the prasinophyte Ostreococcus tauri.
Biochim. Biophys. Acta 1797: 1458-1464, 2010

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プラシノ藻類という原始緑藻が亜熱帯海域に棲息しています.この藻類は,最も小さな真核光合成生物として知られますが,高等植物へと分岐した当時の緑藻の姿を残していることから注目されています.2006年にはゲノムも解読されました.私たちは,オストレオコッカス(Ostreococcus)という種を用いて,集光アンテナLHCの原始的な構成・機能を解析しています.今回の研究では,光化学系Iとその集光アンテナからなる超複合体を分離して,解析しました.その結果,オストレオコッカスの光化学系Iには大小2種類の集光アンテナがあること,光の強い環境では大きいアンテナを持つ光化学系Iは姿を消すことなどがわかりました.これらの結果をもとに,以下のような,集光アンテナの進化の道筋を議論しています.