Iwai, M.*, Takizawa, K.*, Tokutsu, R., Okamuro, A., Takahashi, Y., Minagawa, J.
Isolation of the elusive supercomplex driving cyclic electron transfer in photosynthesis
Nature 464: 1210-1213, 2010 (*equal contribution)

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葉緑体チラコイド膜上には,電子が光化学系Iの回りを循環するCEF(Cyclic Electron Transfer)と呼ばれる循環電子伝達経路があります.CEFは,特にエネルギー(ATP)を必要とする状況や,強光にさらされている状況になくてはならない経路です.しかし,光化学系Iを出た電子が“どの分子を”経由して再び光化学系Iへ戻ってくるのか,40年以上に渡って謎とされてきました.今回私たちは,光化学系IIに選択的に光エネルギーを与えた状態(State 2)のクラミドモナスではCEFが盛んに行われていることを利用して,“CEFの本体”を取り出すことに成功しました.それは大方の予想とは異なり,「光化学系I」「シトクロムbf複合体」「FNR」などが集合してできたタンパク質超複合体でした(下図).そして,その超複合体上で光化学系Iからシトクロムbfへ,そしてまた光化学系Iへと電子が“回る”ことが確認されました.


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"Exceptional"と評価されました (Faculty of Biology 1000)