ゲノム編集技術や次世代シーケンサーの登場により、植物科学分野においても非モデル生物を材料とした研究が飛躍的に進展し、研究開発に利用される種の数は爆発的に増加している。そのため、研究材料となっている植物遺伝資源を維持・保管するための超低温保存技術の開発とその手法の普及は、かつてないほど求められている。今回の講習会開催を通じて植物遺伝資源の実践的な超低温保存技術の普及を促進したい。
種子では保存できない栄養繁殖性植物遺伝資源を長期保存(バックアップ)するには、植物組織(頂芽や腋芽)をガラス化させる必要があり、液体窒素温度(-196℃)まで温度を下降させる過程での細胞内氷晶形成を防ぎ細胞への致死的障害を避ける事が、植物の生存と再生育にとって非常に重要である。ある種特有の超低温保存方法を学ぶだけでなく、基礎的な知識を深めることで、参加者が研究材料として用いている様々な植物種での保存技術の確立を行えるようにすることを目的に栄養繁殖性被子植物(キクおよびニンニク)とコケ植物(ゼニゴケ)を用いて超低温保存方法に関する技術講習を開催する。
2018年2月22日(木)~23日(金)
基礎生物学研究所 山手地区 IBBPセンター
〒 444-8585 愛知県岡崎市明大寺町字東山5-1
・ニンニク側球茎頂(ビーズガラス化法)の超低温保存法
・ゼニゴケ無性芽(V cryo-plate 法)の超低温保存法
・キク脇芽(D cryo-plate 法)の超低温保存法
田中 大介(農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センター)
大学・研究機関に所属する研究者・技術者・学生
申込締切:2018年1月15日(月)→19日(金)まで【延期しました】→締め切りました(1/19)
募集定員:6 名程度
申込方法:下記、参加申込書をダウンロードし、ご記入のうえ事務局(workshop(at)nibb.ac.jp)宛にお送りください。
※(at)を@に替えてください
なお、件名を「植物遺伝資源保存技術講習会2017申込」としてください。
応募者多数の場合、選考となります。受講の可否は1月20日前後にメールにてお知らせします。
無料(旅費・宿泊費の補助はありません)
ただし一日目終了後に交流会を行いますので、交流会参加費として4,000円程度を徴収させていただきます。
交流会への参加については申し込みの際にご連絡ください。
●2月22日(木)第1日目
12:30 受付
13:00 挨拶:成瀬 清
13:10 自己紹介
13:20 講義1:超低温保存について
14:00 講義2:実習内容説明、試薬作成(アルギン酸ナトリウム溶液)
14:30 実習1:キクとゼニゴケの前培養
15:00 実習2:ニンニク成長点の摘出とビーズガラス化法による保存
17:00 質疑応答
18:00 終了
18:30 交流会(東岡崎駅周辺)
●2月23日(金)第2日目
09:15 講義3:実習内容説明
10:00 実習3:キクの D cryo-plate 法による保存
ゼニゴケの V cryo-plate 法による保存
12:00 昼食
13:15 説明:IBBPについて
13:30 実習4:キク・ゼニゴケ(再生と観察)
16:00 講義4:まとめ
17:00 終了
・持ち物:白衣(必要に応じてお持ちください)
・宿泊について
自然科学研究機構 三島ロッジに宿泊を希望される方はご連絡ください。(1泊 1500 ~ 2500 円(部屋のタイプと空き状況次第))
ホテル宿泊をご希望の方は、各自でご予約ください。
東岡崎駅から基礎生物学研究所(山手地区)まで東岡崎駅南口より徒歩20分
田中 大介(農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センター)
河内 孝之(京都大学 大学院生命科学研究科)
成瀬 清 (自然科学研究機構 基礎生物学研究所 IBBPセンター)
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 IBBPセンター
IBBP 京都大学サテライト拠点
農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センター
加藤 愛,都築 千鶴,松林 尚美,松田 頼子(京都大学),溝上 裕子
IBBP技術講習会事務局
e-mail : workshop(at)nibb.ac.jp ※(at)を@に替えてください
TEL : 0564-59-5930, 5931