次世代 DNA シーケンシング テクニカルセミナーを開催します

 生物機能情報分析室では、次世代 DNA シーケンシング技術をベースとした統合ゲノミクス共同研究を遂行しています。この度、最近話題のナノポアシーケンサーに関して、Oxford NANOPORE Technologies 社の担当者にご講演頂くと共に、生物機能情報分析室の実施状況等を紹介するテクニカルセミナーを開催します。

開催日時:
2017 年 10 月 3 日(火) 14:15 ~ 16:00

会場:
基礎生物学研究所・第一セミナー室(132 – 134室)

要旨:
 イギリスに本社を置く、オックスフォード・ナノポアテクノロジーズは手の平サイズのシークエンサー MinION を 2015 年より一般向けに販売開始している。MinION はナノメートルサイズのタンパク質の穴を通過する分子を測定するナノポアセンシングという技術を使った第 3 世代のシークエンサーである。特に MinION は手の平サイズという携帯性から、従来のラボでの実験・シークエンスといった活用にとどまらず、感染症の現場での菌の検出・同定など屋外でのシークエンスを可能にしている。現在 NASA が宇宙ステーションで MinION を使ったシークエンスを行っていることはニュースにもなっている。またリアルタイムにシークエンスが行えることから、迅速な病原菌の同定への応用研究も始まっている。昨年末のスループット向上により、ヒトゲノムの解析、トマトゲノムなど大きく複雑な生物のゲノム応用も進められている。本セミナーでは、MinION のシークエンス原理から、その仕様、そしてすでに活用されている事例や論文の紹介を交えて、MinION への理解を深めていただくとともに、現在リリースしたばかりの Direct RNA シークエンスについても解説を行う。さらにハイスループット版の GridION, PromethION についても紹介する。

プログラム:
14:15 – 14:25 挨拶 重信秀治

14:25 – 15:25
「オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ社シークエンサ MinION, GridION, PromethION の基礎、今後の開発ロードマップについて」
株式会社 Oxford NANOPORE Technologies 宮本真理

15:25-15:40
「生物情報分析室における実施状況と要所」 山口勝司

15:40-16:00 質疑応答

連絡先:
基礎生物学研究所・生物機能解析センター・生物機能情報分析室(ex. 7670)
担当:山口勝司